ホーム記事一覧 >

Foregraund Question と ER・救急999の謎

最終更新: 2017年10月24日(火)

救急医学会総会で先行販売

ER・救急999の謎
ER・救急999の謎 – 2017/10/26発売

志賀 隆(監), 山上浩(編), 佐藤信宏(編), 船越 拓(編)

Amazon 新品 ¥5,940-  ▶購入・予約はコチラ 

大阪で開催中の第45回日本救急医学会総会に来ておりますが, 学会先行販売となっていた良著『ER・救急999の謎』をご紹介したいと思います。これまでにも集中治療, 総合内科, 感染症領域で続々と出版されてきた大人気シリーズ "999の謎"。期待を裏切ることなく, 救急領域でよく遭遇する疑問である"Backgraund Question"を網羅的にカバーしているだけでなく, 答えの出しにくい "Foregraund Question" にも出来る限りのAnswerを出した一冊となっていそうです。早速管理人は購入致しましたが, 今回はClinical questionの分類について合わせて解説致します。


Backgraund QuestionとForegraund Question

 

Clinical Questionの種類

 

臨床における内発的な問い, いわゆる"Clinical Question"は, その形式から①Backgraund Question②Foregraund Questionの2つに大別されます。

 

①Backgraund Questionとは調べればすぐに解決するもの" 。例えば 「アセトアミノフェン錠剤の商品名ってなんだっけ?」 「急性腰痛症の定義ってなんだっけ?」など。一方, ②Foregraund Questionとは「急性腰痛症の患者に対して, アセトアミノフェンとNSAIDSは, どちらの方が疼痛改善までの期間が短いの?」など特定の患者さんに的を絞った疑問で, いわゆる "PICOで定式化できる疑問" となります。

 

なぜこれらを分類する必要があるのか, それは情報収集のアプローチが異なるからです。一般的に, ①Backgraund Questionは, GoogleやRSSリーダー等の既存のWebツール, またUpToDateや今日の臨床サポート等の医療系教育ツールで, 比較的簡便に情報収集が可能です。一方,②Foregraund Questionは既存のツールのみでは対応困難であり, 知識の引き出しと臨床経験を一定量必要とします。

 

救急領域での①Backgraund Questionに対する参考書が巷に溢れる中, ②Foregraund Questionに丁寧に答えた書籍は稀であり, 今回『ER・救急999の謎』を紹介した次第です。これまでに当ページでは①Backgraund Questionに対する情報収集アプローチを主に取り上げて来ましたが, 今後は②Foregraund Questionの解決方法に関しても「迅速に簡便に網羅的に」実行できる術を紹介できればと思います。引き続きよろしくお願いします。

その他の999の謎書籍


コメント: 0